「マドンナ」とは、望まない妊娠を防ぐために服用する緊急避妊薬の一種です。
厚生労働省が認可しているノルレボと呼ばれるアフターピルのジェネリック医薬品であるため、ノルレボより安く購入できます。
本記事ではマドンナ(アフターピル)の効果や副作用、避妊成功率を高める服用方法、注意点、服用できない方などについて解説します。
アフターピルを服用すれば100%避妊できるわけではありませんが、知識を身につけておくと避妊に失敗した、性犯罪に巻き込まれたなどの緊急時に適切な行動を取りやすくなるでしょう。
自身の身を守るためにも、女性はぜひ参考にしてみてください。
マドンナ(アフターピル)の特徴
マドンナ(アフターピル)には次のような特徴があります。
- 望まない妊娠を避ける緊急避妊薬
- ノルレボのジェネリック医薬品
それぞれ解説します。
望まない妊娠を避ける緊急避妊薬
マドンナ(アフターピル)は「避妊に失敗した」「避妊の協力が得られない性行為をした」などの理由による望まない妊娠を避けるための緊急避妊薬です。
妊娠の可能性がある性行為から服用までの時間が短いほど避妊成功率は高まりますが、100%ではありません。
また、服用すると副作用が出る可能性があります。服用する機会がないことが一番ですが、緊急時にはデメリットもよく理解してから服用しましょう。
ノルレボのジェネリック医薬品
マドンナ(アフターピル)は、避妊効果や安全性が高いと厚生労働省から認可されている「ノルレボ」のジェネリック医薬品です。
ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を配合して作られているため、安全性や効果は先発医薬品と同等です。少ない費用で開発できるジェネリック医薬品は、先発医薬品よりも安価で購入できます。
ノルレボの費用相場は10,000円前後、マドンナ(アフターピル)の費用相場は2,000円前後です。マドンナ(アフターピル)にはノルレボと同等の安全性や効果があります。
マドンナ(アフターピル)の効果
マドンナ(アフターピル)の効果は次のとおりです。
- 排卵を抑制する
- 子宮内への精子の侵入を抑制する
服用するタイミングが排卵前か排卵後かにより効果は異なります。
排卵を抑制する
服用するタイミングが排卵前だった場合、排卵を抑制し妊娠を防ぎます。子宮内に精子が侵入しても、卵子が排卵されていなければ受精卵は作られないため妊娠は成立しません。マドンナ(アフターピル)が排卵を抑制する効果は5日~7日程持続します。
一方で、精子の生存期間は72時間程度です。排卵を抑制している間に精子は受精能力を失うため、非常に高い避妊効果が期待できます。
子宮内への精子の侵入を抑制する
服用するタイミングが排卵後だった場合、子宮内への精子の侵入を抑制し妊娠を防ぎます。マドンナ(アフターピル)は、子宮の入口で分泌される頸管粘液と呼ばれる粘液を増加させて、精子の侵入を抑制します。
精子が子宮内に入れなければ妊娠は不成立となるため、避妊に効果的です。また、精子が侵入し卵子と受精したとしても、マドンナ(アフターピル)には受精卵の着床を阻害する効果もあります。
妊娠を望んでいない場合は「排卵後だから」と諦めずに、性行為後なるべく早く服用しましょう
マドンナ(アフターピル)の主な副作用
マドンナ(アフターピル)を服用すると、次のような副作用が出る可能性があります。
- 出血
- 吐き気
- 頭痛
- 眠気
副作用が出るのは、一時的なホルモンバランスの乱れが原因です。大抵の副作用は24時間以内でおさまりますが、症状がよくならない、悪化するようならすぐに医師に相談しましょう。
マドンナ(アフターピル)を服用すると、薄くなった子宮内膜が剥がれ落ち出血する場合があります。基本的には少量の出血が数日でおさまりますが、1週間以上出血が止まらないときは医師の診察を受けましょう。
服用から2時間以内に嘔吐した場合、避妊に有効な成分が排出されている可能性があります。再度服用が必要になることもあるため、服用した時間と嘔吐した時間を医師に伝え指示を仰いでください。
頭痛や眠気が酷い場合は鎮痛剤の服用や仮眠などで対応し、無理をしないようにしましょう。可能であればマドンナ(アフターピル)服用から24時間以内は、安静に過ごすことが望ましいです。
マドンナ(アフターピル)の服用方法と注意点
避妊成功率を高めるための服用方法や、服用する際の注意点を紹介します。
また、マドンナ(アフターピル)を服用できない方についても解説します。
マドンナの服用方法
避妊成功率を高めるための服用方法は、次のとおりです。
- 性行為から72時間以内に服用
- 1回2錠服用
ノルレボの避妊成功率は、性行為から24時間以内で約99%、48時間以内で約98%、72時間以内で約97%と非常に高い数値となります。
しかし、72時間を超えてから服用すると63%以下と一気に低下します。そのためマドンナ(アフターピル)を服用する場合は、性行為後72時間以内に服用してください。
性行為から服用までの時間が短ければ短い程、避妊成功率は上がります。
マドンナ(アフターピル)の服用量は1回2錠です。ノルレボの服用量は1回1錠ですが、ノルレボのジェネリック医薬品であるマドンナ(アフターピル)は1回2錠の服用が必要です。間違えないよう注意しましょう。
服用する際の注意点
避妊に有効な成分を体内に吸収するためには、約2時間程かかります。そのため、服用から2時間以内は嘔吐しないよう気をつけましょう。
吐き気止めを一緒に処方している病院もあるため、不安な方は医師に相談するとよいでしょう。市販の吐き気止めの併用も可能です。
繰り返しになりますが、マドンナ(アフターピル)は性行為から一定時間内に服用すれば高い避妊効果があるものの、100%避妊できるわけではありません。
あくまで緊急用の避妊薬と捉え、日常的な使用はしないでください。妊娠を望んでいない方は、低用量ピルの服用やコンドームの使用で日頃から避妊するよう心がけましょう。
マドンナを服用できない方
日本産婦人科学会は、次のような方の服用を禁止しています。
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある女性
- 重篤な肝障害のある患者
- 妊婦
また、症状が悪化する危険性があるため次のような方の服用には注意が必要です。
- 肝障害のある患者
- 心疾患、腎疾患またはその既往歴のある患者
これらは、マドンナに限定される決まりではなく、すべてのアフターピルに当てはまります。該当する方、心当たりや不安要素がある方は必ず医師に相談しましょう。
マドンナ(アフターピル)に関するよくある質問
最後に、よくある質問と回答を3つ紹介します。
マドンナ(アフターピル)を服用する際の参考にしてみてください。
マドンナの正しい保管方法は?
高温多湿の場所は避け、室温での保管が最適です。小さなお子さんがいる方は、お子さんの手が届かない場所に保管しましょう。誤飲や品質変化を防ぐため、容器は入れ替えないでください。
避妊に成功したか確かめる方法は?
マドンナ(アフターピル)の服用後に消退出血、月経があると避妊に成功した可能性が高いです。
ただし、避妊できていても消退出血がない方もいます。また、月経と認識していた出血が不正出血や着床出血である可能性もあるため、出血の有無のみで避妊成功と断定はできません。
服用から3週間以内に出血があれば避妊に成功した可能性が高いですが、より正確に確かめたい場合は婦人科を受診するか、市販の妊娠検査薬で判定しましょう。
ホルモンバランスの崩れにより生理周期が乱れる場合があります。検査時期が早すぎると正確な判定ができないため、妊娠検査薬はマドンナ(アフターピル)服用から3週間以上経過してから使用しましょう。
マドンナの服用後に生理はいつくる?
基本的には、服用から3週間以内に月経がきます。マドンナ(アフターピル)服用による生理周期の乱れはよくあるため、心配しなくて大丈夫です。
ただし、服用から3週間以上月経がこない場合は妊娠の可能性が高まるため、早めに婦人科を受診しましょう。
まとめ
マドンナ(アフターピル)は望まない妊娠を防ぐための緊急避妊薬で、性行為から一定時間内に服用すれば高い避妊効果があります。ただし、ホルモンバランスが崩れ一時的に副作用が出る可能性があります。
正しく服用すれば避妊成功率は高まりますが、100%避妊に成功するわけではありません。日常的な使用はせず「避妊に失敗したかもしれない」「コンドームを使用しない性行為を強制された」など緊急時のみの使用に限定しましょう。
マドンナ(アフターピル)服用から3週間以上経過しても月経がこない場合は、避妊に失敗した可能性が高いです。早急に婦人科を受診してください。