当院でも人工妊娠中絶をおこなっています。 様々な事情により妊娠の継続を希望されない場合には手術を予定してまいります。 ご希望の患者様は初回院長診察にて対応いたしますので、一度ご連絡いただければ幸いです。 なるべく早期の手術の方が安全になりますので、早めにご連絡いただければ幸いです。

中絶手術について

  • 手術は吸引手術でおこなっており、いわゆる掻把術を行う場合よりも安全に行うことができます。
    日帰り手術を基本とし、できる限り子宮の頸管拡張を行わない方法で対応いたします。
    頸管拡張を前日に行わないことで、手術前後の痛みをなくすことができます。
    また前日の来院や感染のリスクを減らすことができます。(※やむを得ず当日に頸管拡張を行うことがあります。その場合退院の時間が延びることがあります。)
  • 当日は朝8時前後に来院していただき、準備を行ったのち、8時30分ごろに手術開始となります。
    特に問題がなければ15分程度で手術は終了します。その後麻酔が覚めるのを3から4時間程度待ちます。
    問題ないことを確認し、子宮内の状況を確認し退院となります。
    当日は麻酔の影響があるため、車や自転車、バイク等で来るのは避けてください。
  • 退院後は内服薬を1週間飲んでいただきます。
  • 1週間後に診察に来院していただき異常なきことを確認します。状況により診察回数が増えることがあります。
  • 費用は99,000円(税込)からとなっております。週数や合併症の状況で値段が変化することがあります。

当院の中絶手術の特徴

よくある疑問や不安に対しての解説をしております。

  • 痛みの少ない中絶手術
    麻酔は静脈麻酔で行っています。基本的に痛みを感じることはありません。寝ている間に終了しますのでご安心ください。
  • 手術前日の来院や前処置は不要
    当院では前日の来院の必要はありません。
    多くの病院では前日に子宮の入り口を広げる操作を行っていますが、この操作が痛みを伴うことが多いです。
    子宮の入り口を広げる操作は必要ですが、当院では麻酔をかけてから行っていますので、痛みなく前日を過ごすことができます。
    ただでさえ不安な手術前日に、さらに痛みを伴う処置を行い、寝ている間も痛みを伴うことがないため、万全の体調で手術にのぞむことができます。
  • 手術方法は吸引術のみ
    手術方法には大きくわけて2種類があります。
    一つは従来行われてきた掻把術(そうは術)であり、もう一つは吸引術になります。
    掻把術は子宮の中に器具を入れて、内容物を掻き出す手術になり、子宮穿孔(子宮に穴があいてしまう)などの合併症が起こりやすいです。
    一方掻把術は掃除機のようなもので内容物を吸い出す手術になりますので、穿孔は起こりにくく、より安全な手術です。
    現在統計上は半分近くの病院で掻把術と吸引術を併用しているところが多いようです。
    当院ではあくまで安全を優先するために吸引術のみで手術を行っています。

中絶手術後に起こる可能性がある症状

  • 痛み
    術後数日から1週間程度まで生理痛に似た痛みが発生することがあります。
    子宮がもとに戻ろうとするために起こる痛みであり、また、子宮の内容物をしっかり外に出すために起こる子宮の収縮による痛みです。
    したがって良い痛みという判断をしますが、それでも痛みで困る方のために、当院では痛み止めを処方しておりますので、痛みが緩和されます。
    もし、それでも痛みが続き、つらいようであれば外来を受診していただければと思います。
  • 出血
    術後1週間から2週間程度は出血が起こります。
    これは子宮の内容物が外に出るためであり、必要な出血になります。
    出血量には個人差があり、数日してからかたまりが出る、おりものに出血が混ざるような状態が続くなど、期間や内容も様々です。
    出血量が多く、体調が悪いなどがなければ問題ありません。
  • めまい、頭痛
    めまいや頭痛が起こることがあります。
    これらの症状は手術時の麻酔の影響であることが多いです。
    覚醒後30分程度からよくなる傾向にあります。術後はあまり無理せず、しっかりお休みください。
    また、麻酔の影響は当日残ることがありますので、自身での車や自転車の運転は避けるようにしてください。
    また、付き添いの方にお迎えに来ていただくことをお勧めします。お迎えの時間は11時から12時頃になることが多いです。
  • 吐き気、嘔吐
    術後の合併症として起こることがあります。
    麻酔の影響で起こることがありますので、症状がある場合には術後点滴等で対応いたします。
  • 健忘
    ごくまれではありますが、麻酔の影響で記憶が一時的にないようなことがあります。
    麻酔薬が入ってくることにより手術前後のことを忘れてしまうことがあるようです。
    一過性のものですのであまり心配はありません。
    いやな夢を見るようなこともあるようですが、一時的なものであり、問題ないです。
  • PAS(中絶後遺症候群)
    人工妊娠中絶手術による感情の抑圧により発症したPTSD(心的外傷ストレス)はPAS(中絶後遺症候群)と呼ばれ、術後に起こることがあります。

中絶手術でおこりうる合併症

子宮内容除去術は手探りで行う手術でもあり、手術を行う立場からすると深い経験に基づく慎重な操作が必要な手術です。
下記に示すような合併症はほとんど起こりませんが、可能性は0ではありません。
当院では長きにわたって手術を行ってきておりますが、トラブルを起こした症例はございません。
より安全に手術を行っていくことを約束いたします。
それでも起きてしまうことがあるものですので十分な説明と十分な理解をしてから手術を受けていただければと考えています。

  • 頚管裂傷
    子宮の内容物を吸引する前に、頚管(子宮の入り口)を開く操作が必要にあります。
    分娩をしていない方や前の分娩が原因で頚管に傷がついていた方は、頚管が硬くまたもろくなっていることがあり、子宮頚管に傷がついてしまうことがまれにあります。
    一方で頚管を広げる操作はかなりの痛みを伴うことが多く、前日から子宮の頚管を開く処置が必要になります。
    そもそも手術の前日でナーバスなところに、頚管を広げる操作で痛みをともない手術を受けることが嫌になってしまう方がいます。
    そこで当院では頚管を広げる必要がある方には頚管を広げる処置を行うことがありますが、なるべく麻酔がかかってから頚管を広げるように努力しています。
    麻酔がかかってからであれば痛みを伴うことはありません。
    まれに麻酔がかかってからすぐに頚管が開かない方がいますので、その場合には少し時間をかけて頚管を開く操作を行います。
    よって術後の帰宅時間が遅くなることがあります。
    また頚管に傷がついてしまった場合には子宮の頚管を縫合する処置が必要になることがあります。
  • 麻酔
    当院では静脈から麻酔を注射し、手術を行います。ほとんどの病院やクリニックと同じ麻酔方法となります。
    完全に意識がなくなりますので、痛みを感じることはありません。
    麻酔中は一時的に呼吸が止まったり、嘔吐したりすることがあります。
    これに備えて、手術室には人工呼吸装置や酸素、嘔吐物の吸引機が配備されていますが、不測の事態を避けるために、
    手術前に使ってはいけない薬や喘息の確認などの持病の確認を十分にさせていただきたいと考えています。
    また当日は全く飲んだり食べたりしないようにしていただいています。
  • 子宮損傷
    慎重に手術を行いますが、様々な原因で子宮に穴が開いてしまうことがあります。
    特にもともと子宮の壁が薄い体質であったり、人工妊娠中絶手術を行っていたり、帝王切開の既往がある場合などが多いです。
    こういった場合には入院加療の上、開腹手術が必要になることがあります。
  • 遺残
    上記のように子宮損傷が起こることがあり、子宮損傷が起こらないようにするためにもあまり子宮に負担をかけすぎないような配慮が重要になります。
    そこで当院では吸引手術で完全に行いますが、安全を第1優先するために、子宮内容が残ってしまったり、出血がたまったりすることがあります。
    適切な処置を行わないと腹膜炎がおきたり、不妊の原因となることもあり、必要な場合には再手術を行うこともあります。
    きちんと受診していただいた場合に遺残があった場合には再手術の費用はかかりません。
    一方で遺残が起こらないように薬での排出も重要になりますので、指定された日の受診や薬の内服は自己中断しないようにしてください。
    また発熱や腹痛などがある場合には診察が必要な場合がありますのでご連絡ください。
  • 妊娠継続
    上先天的な異常が原因で子宮が2つに分かれていたり、またまれに子宮外同時妊娠といって双子の妊娠で1人が子宮の中に、
    もう一人が子宮の外に妊娠していたりすることがあります。
    不妊治療後に多いとされています。このような場合には手術後に妊娠が継続されていることがあり、大変危険なことがあります。
    このようなことを避けるためにも必ず指定された日に診察を受けてください。
    また手術後5から6週たっても生理がなかったり、出血が少ないようなときには必ず来院してください。

人工妊娠中絶の費用

妊娠週数 費用(税込)
4週まで(4週6日まで) 99,000円
6週まで(6週6日まで) 121,000円
7週まで(7週6日まで) 132,000円
8週まで(8週6日まで) 143,000円
9週まで(9週6日まで) 154,000円
10週まで(10週6日まで) 165,000円
11週まで(11週6日まで) 176,000円

土曜日+11,000円
日曜日+22,000円

当日の流れ

  1. 受付
  2. 書類預かり
  3. 会計
  4. 血圧測定・お手洗いなど
  5. お部屋へご案内
  6. お着替え・点滴
  7. 静脈麻酔
  8. 手術
  9. リカバリー室で休憩
  1. 受付
    まずは受付をお済ませください。
  2. 書類預かり
    書類の署名や印鑑が必要です。
    特に法規上パートナーの印鑑や自書での署名がない場合には手術が行えない場合がありますのでご了承ください。
  3. 会計
    手術前に会計をさせていただきます。
    現金扱いとなりますので、事前にご用意いただければ幸いです。
  4. 血圧測定やお手洗いなど
    手術前に必ずお手洗いをお済ませください。
  5. お部屋へご案内
    手術着にお着替えしていただきます。お着替えの後に点滴をさせていただきます。
  6. 静脈麻酔
    点滴を入れた部分より、麻酔薬を投与いたします。
    当院ではプロポフォールという薬を中心に用いており、点滴時に少ししみる感じや痛みを感じることがありますが、これは薬の影響になります。
    少量でアレルギー反応などが起こらないことを確認し、問題ないことを確認してから十分な量の麻酔を投与します。
    この後意識の確認を行い、完全に意識がなくなった後に手術を開始します。
  7. 手術
    実際に手術を行います。
    麻酔がしっかりかかってから、子宮頚管の拡張を行います。
    十分に麻酔がかかって行うので、術前に頚管拡張を行う場合と比較して、痛みがありません。
    次に吸引法で子宮内容を吸引します。当クリニックでは掻把は基本的に行いません。
    子宮穿孔などの合併症を極力少なくするためです。最後に超音波で遺残がないことを慎重に確認し終了となります。
  8. 回復期
    リカバリー室で意識が戻るまで回復に努めます。
    まれに麻酔の影響で怖い夢を見ることがあります。十分に歩けることを確認し、点滴を抜去して終了になります。
  9. ご帰宅
    帰宅後は食事等とっていただいてかまいません。
    また麻酔の影響があるため、自動車や自転車などの運転はやめましょう。

未成年の中絶手術について

未成年の方が人工妊娠中絶手術を受ける場合には保護者の同意書が必要になります。
初診の時点から保護者の方と来ていただくのが最も良いと考えていますが、なかなかそうはいかないことも多いと思います。

まずは妊娠しているか心配になった時点で受診してください。早めに受診していただくことでご自身のお体への負担は非常に小さくなります。
悩んでしまう気持ちも十分にわかりますが、受診が遅れると大きな合併症を起こすリスクが高くなります。
手術は少しでも早いうちに受けていただく方が医学的には安全です。

ご自身一人で悩まれるよりは、経験のあるスタッフに相談する方が解決することが多いです。
特に当院ではベテランスタッフが多くいますので、ご自身のお母さんのように親身に話を聞いてくれることと思います。
なかなか保護者の方に言えないケースでもこちらで相談していただくことで悩みが晴れることもあると思いますのでまずは相談いただければ幸いです。

中絶手術可能な日程について

最後の生理の始まりの日から妊娠の週数を数えますが、この週数が大きくなるほどリスクがあります。
できれば8週くらいまでに手術を行う方が安全です。

12週まではいわゆる人工妊娠中絶の中でも子宮内容を吸引したり、掻き出す手術になりますが、赤ちゃんの大きさが大きくなると子宮の壁がより薄くなるのでかなり手術のリスクが高くなります。
12週を超えてしまうと通常の分娩と同じような扱いとなり、対応できる施設も限られてきます。
また22週を超えた場合には法律上中絶することができなくなるので注意が必要です。

非常にナイーブな問題であり、なかなか手術に踏み切ることができなかったり、悩んでしまうことが多いとは思いますが、手術を選択する場合には早い手術の方がよりリスクが小さいのは事実です。
まずは一人で悩むよりも当院を受診し、相談していただくことが重要であると思っております。